開発の原点①
面接で胸に刻んだ社長の一言。
「売れるものより、人の役に立つものを。」
私は、2016年に、新卒3期生として、マナラに入社しました。
実は就職活動中、化粧品会社は全く考えていなかったのです。今思えば、肌にコンプレックスがあったからかもしれませんね。
その当時は、大学で農学を学んでいたことから、「食品会社で、企画や開発の仕事がしたい!」と食品業界ばかり見ていました。
しかし、ある会社さんにマナラを紹介されて社長と面接した時、社長が話していた製品開発ポリシーに感銘を受けたのです。その中でも「売れるものよりも人の役に立つものをつくる」という言葉が決め手でした。
入社が決まり、希望していた製品開発部へ配属になったときは、本当にうれしくて、
「お客様に喜ばれる製品をつくりたい!」と心から思いました。
とはいえ、「そもそも化粧品ってどうやってつくるの?」「製造会社さんとのやりとりは?」など、いざ始めてみると分からないことだらけ...。
製品の企画も、提案の度に、「普通すぎるね。」「こういう製品、他にもあるよ。」「これ、本当に欲しいと思ってる?」などと、上司や先輩からダメ出し続きの日々でした。今考えると、新人で当たり前かもしれませんが、当時は何度心が折れかけたか分かりません。
開発の原点②
突然のチャンス!
大人気製品のリニューアルを任された!
それでも初めの一年は、過去に発売されたアイシャドウやUV製品、着圧美脚タイツなどのリニューアルを担当することで、少しずつ製品開発という仕事の役割や、製造工程を学んでいきました。
リニューアルしたことで、「前よりもよくなった!」とお客様からお喜びの声をいただいたときは、すべての苦労が報われた気がしました。
このような実践的な仕事で何年か学んでいた中で、ついに私の開発者としてのチャンスとなる、ある製品の依頼が飛び込んできました。
それこそが、発売後、爆発的に売れた〈生練り洗顔〉であり、後の〈ツルリナウォッシュ〉となる製品だったのです。
この〈生練り洗顔〉の最大の特徴は、なんと言ってもその洗浄力。きめ細やかな泥の粒子と、酵素による汚れ吸着力と洗浄力で、しつこいタンパク質汚れである古い角質もしっかり落とす、その洗い上りに根強いファンが多くいらっしゃいました。
しかし、「粉が舞って洗面台が汚くなる」、「使用量が分かりづらい」など、お客様からのご意見から、いくつかの課題も上がっていました。
開発の原点③
自分の肌悩みに向き合う
実際私自身も、〈生練り洗顔〉は気に入っていたのですが、物足りなさも感じていました。
実は、私はニキビと同じくらい、小鼻などの頑固な角栓にとても悩んでいたのです。それは、はっきり目視できるほどで、誰かと話をするときには、「相手と目が合わない...鼻を見られているのかも...」と思うくらいコンプレックスの塊でした。
マナラに入社する前は、パックや洗顔、スキンケアなどありとあらゆるものを試しても全く変化がなかったのですが、〈生練り洗顔〉を使うと、表面はスッキリして、これまでになかった実感に感動しました。
でも、毛穴の奥の角栓までは取り切れず、もっとスッキリできたらいいのに...と思っていたのです。
ですから自分のコンプレックスを解決するためにも、「このリニューアルは成功させたい!」と強く思いました。
開発の原点④
粒状を目指したのに泥団子!?
私が考えたのは、"酵素*"と"泥"を"粒"にした粒洗顔料です。粒にした方が、スクラブのように、頑固な角栓を取り除くことができるはず!と思ったのです。
初めて試作品が届いた時には、愕然としました。泥団子のようなかたまりが届いたのです。
今でこそ笑い話ですが、研究者の方に私のイメージを伝えるのにとても苦労しました。
泥団子から今の顆粒状の粒にたどり着くには、本当にたくさんの試作品を重ねてのことでした。
初めて「これだ!」と思える手応えを感じたのは、泥*1の粒子と酵素*2などの有用成分を繋ぎとしてまとめてくれる"うるおいオイル*3"を採用した時。
粒にすることで、スクラブのように頑固な角栓をぐらつかせ、ほぐしながら取り除くことができるので、毛穴の奥の角栓までスッキリ!また、オイルでまとめているので、洗顔後はオイルが肌にベールをまとうようにうるおいを与えるから、酵素洗顔にありがちな洗顔後のつっぱり感もありません。
使ってみたあと、肌の乾燥は全く感じないのに、私の剣山みたいな角栓も、毛穴の奥からスッキリ取れたのです!ようやく私の理想的な洗顔が誕生した瞬間でした。